うえだ小児科医院
こどもの病気

総論(長文ですので時間がある時に目を通してみてください。)

こどもの間(生まれてから小学校へ入るくらいまで、特に保育園と幼稚園時代)は、明けても暮れても病気といった感じになります。
入園直後のお母さん達は、病気になるたびにあわてて来院し愚痴だらけの状態となりますが、2年もすると病気にかかる事も減ってお母さん達の笑顔が戻ります。
鼻汁、咳、目やに、発熱のような上気道炎と下痢、嘔吐、発熱のような胃腸炎が感染症の大部分を占めますが、80〜90%はウイルスがいたずらの病気ですから、この場合は、今の医学では根本的な治療薬はインフルエンザと水ぼうそうしかありません。
鼻の薬、咳の薬、嘔吐の薬、下痢の薬、熱の薬などはいずれも対症薬と言われて症状を和らげるだけの薬です。
したがってこれらの薬で早く治す、ひどくならないようにすることは出来ません。
まして予防する事も出来ません。
ただし、時にはウイルス性の病気から中耳炎や気管支炎、肺炎になり抗生剤の治療が必要となったり、嘔吐と下痢から脱水になって点滴が必要となる事もあります。
もちろん入院が必要な事もおこります。したがって経過観察をしている間に症状が長く続いたり、むしろ悪くなって元気がなくなって来たときは受診が必要です。
また同じような症状でも、抗生剤の治療が有効な溶連菌感染症、マイコプラズマ感染症、細菌性腸炎などの感染症もあります。これらの病気については個々の病気を見て下さい。


症状と対応
発熱

病気に対する身体の反応ですが、発熱をしているときの方が身体の免疫力が上がり、病気を治そうとする自然な防御反応です。
【解熱剤】
一時的に熱を下げますが、病気を早く治したり悪くなる事をふせいだりは出来ません。
お子さんが眠れない、食事がとれないなど困った時とお母さんの不安が強い時に使用すれば良いでしょう。
【お風呂】
病気を悪くする事は通常ありませんが、熱いお風呂では熱がもっと上がるので高熱のときは避ける方が無難でしょう。
【食事】
胃腸炎でなければ制限がありませんが、食欲が低下しているときはアイスクリーム、ヨーグルト、プリンなどの冷たく口あたりの良いものがお薦めです。
高熱の時に吐きやすいお子さんは解熱剤を使用する事はやむを得ないでしょう。
【頭は大丈夫?】
「高熱で頭がおかしくなりませんか」よく聞かれる質問ですが、高熱で頭がおかしくなる事はありません。
高熱の原因が髄膜炎や脳炎などの病気であった時に後遺症が残れば残念ながら障害が残る事があります。


嘔吐

頭部打撲の脳しんとう、めまい、頭痛、脳腫瘍、腸重積、中毒などが原因の事もありますが、最も多いのは胃腸炎です。
胃腸炎では下痢を伴う事が多いので、激しい嘔吐で下痢を伴わない時は要注意です。
ウイルスや細菌による胃腸炎と中毒では、おなかに入って来た有害物質を体外へ排出する自然な防御反応です。
出し終われば症状が治まってきますので時間との戦いになります。

【水分補給】
経口補液と言われる点滴の代用品がありますので、嘔吐の後1時間程してこれを5mlくらいずつ10分間隔で摂取し、嘔吐がなければ徐々に量を増やすことになります。
水やお茶では糖分や電解質などの成分が全くないのでお勧めできません。
スポーツ飲料を代用するなら電解質のナトリウムが不足するため少し塩気が感じられる程度に塩を加えると良いでしょう。
水分が経口で収まり始めたら食事はあっさりしたものを少量からスタートです。
嘔吐が収まり始めれば経口摂取の開始ですが、以前と比べてタイミングは相当早くなっています。


下痢の時の食事

嘔吐がなくて食欲があれば通常の普通食で結構です。
「下痢をしているので離乳食をやめました。
食事を減らして水分を多く取るようにしています」などとおっしゃるお母さんがたくさんいます。
しかし、食事量を減らすと食べ物のかす(繊維性のもの)などが減りますので便を形作る土台がなくなります。
その結果、むしろ下痢が長引きます。
乳児では離乳食をやめると新生児期のような水っぽい便を頻回にするようになってしまいます。
むろん油っぽいものを一気にたくさん食べるような暴食を控える事は言うまでもありません。


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更新日:2012-10-23

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